作品解説
日本画壇の最高峰があたたかな愛情を込めて描く童心の世界
『金太郎』彩美版(R)プレミアム
文化勲章受章
東山魁夷
■原画所蔵/長野県信濃美術館・東山魁夷美術館 ■監修/東山すみ
「マサカリかついで金太郎 熊にまたがりお馬のけいこ・・・」思わず懐かしい童謡を口ずさんでしまうほど、
ほのぼのとした名作「金太郎」。戦後復興に向けて動き始めた昭和二十四年に制作された東山魁夷にとっても意義深い作品です。強い熊を従えた金太郎の雄姿が、激動の時代を生きた人々の心にどれほど勇気と希望を与えたことでしょうか。
文化勲章受章に輝く日本画の巨匠・東山魁夷があたたかな愛情を込めて描いた
「金太郎」。
東山家の正式認可のもと彩美版®プレミアムとして新たに誕生しました。最新の絵画加工技術と熟練職人の手作業の融合により、作品に透明感と奥行きを与え、原画の味わいを忠実に再現。繊細な色合いや、鮮やかな発色を効果的に表現した限定版美術作品です。
東山魁夷が描く童心の世界
東山魁夷は童画画家だった、と言うと驚く人がいるかもしれませんが、実際に一九二九年から一九三三年まで、本名の東山新吉の名で童画を描いていた時代があります。東京美術学校四年のとき、実家の経済状態の悪化から自活の道を探り、「少年倶楽部」や「コドモノクニ」という絵雑誌に挿絵を描くようになります。
魁夷は戦後間もない一九四七年、三十九歳にして「残照」を描き、日展の特選を受賞します。ようやく画壇で認められ、翌年には日展無鑑査にもなります。この「金太郎」は一九四九年の作です。精神的にも少し余裕を持てたとき、若いころに心をこめて描いた童画を思い起こしながら筆を執ったのではないでしょうか。あたたかな子どもへの愛情とともに、おおらかなゆとりが感じられます。
魁夷は優れた風景画でしたが、同時にロマンティストで、童心の世界に遊ぶことを知っていた画家でした。
※付属解説書より抜粋
美術評論家、長野県信濃美術館 東山魁夷館前館長
松本 猛
作品詳細情報
品番 |
AR-HK98 |
作品名 |
東山魁夷 マスターピース コレクション 『金太郎』 |
作家名 |
東山魁夷 |
技法 |
彩美版(R)プレミアム |
画寸 |
33×30cm |
額寸 |
48.5×45×4cm |
額縁 |
特注木製額ハンドメイド浮き出し加工 |
監修 |
東山すみ |
証明 |
監修者承認印が額裏貼付の奥付に押印され、ATELIER KAII HIGASIYAMAのマークが画面左下部に入ります |
原画所蔵 |
長野県信濃美術館 東山魁夷館 |
解説 |
松本猛(美術評論家、長野県信濃美術館 東山魁夷館前館長) |
限定制作 |
500部 |
発行 |
共同印刷(株) |
納期 |
受付後1〜3週間前後
(納期のご質問・ご要望等承ります。) |
作家プロフィール
1908年 横浜に生まれる。
1926年 東京美術学校日本画科に入学。
1931年 東京美術学校日本画科を卒業、結城素明に師事し雅号を魁夷とする。
1933年 ドイツ留学。ベルリン大学で美術史を学ぶ。
1947年 「残照」を描いて以来、風景画家として立つことを決意する。
1949年 『金太郎』制作。
1950年 「道」によって画壇および社会的に認められるようになる。
1965年 日本芸術院会員に任命。日展理事に就任。
1969年 文化勲章受章、文化功労者として顕彰。
1980年 唐招提寺壁画を完成。
1990年 逝去、享年90。従三位勲一等瑞宝章を追贈。